エッセイ

「好きなことで生きていく」はニーズを無視することではない

*この記事は別のブログで2018年12月頃、40歳の時に書いた記事です。

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「やりたいことを仕事にする」「好きなことで生きていく」などのキャッチフレーズをSNSでよく見かけます。YouTubeのキャッチコピーが蔓延している世の中です。

個人的にはこのキャッチコピー(コンセプト)は好きです。

実際そのように生きれたらとても楽しいだろうなと思うし、多くの人が共感していくのもわかります。

このコピーが言いたいのは、生き方(ライフスタイル)の話だろうけど、

一方でビジネスや事業を創るとき、ただ単に「やりたいからやる」というだけではどうもうまくいかないこともあるようです。

今回の記事では自分の経験談を踏まえ、思う事を書いてみました。

自分たちが作りたいサービスと世の中が欲しているサービスのギャップ

先日、あるサービスを世に出したいと相談を受け、企画内容を聞いてみると、「あったら確かに便利」と感じる内容だったからそれをそのまま伝えました。

「このサービスが実現したら、僕は使いたいと思うし、同じように思う人もいると思う」と。

それから約3週間たったある日、「プロトタイプ(試作品)ができたからみて欲しい」と連絡を受け、実際に触ってみると、企画していた内容に近い感じのサービスが出来上がっていました。

しかしそのサービスは、プロトタイプとはいえ、ユーザー目線では足りない機能や情報もたくさんあり、この状態で世の中に出すのは適切でないと感じたのも事実。

今回も相手にそのまま率直に伝えると、彼は残念そうにしていました。

しかし彼は、このまま世の中に出したい!とのこと。

理由は、これを作るのに関わってくれた人(10名弱)の思いや気持ちに報いたいということでした。

誰のためのサービスか?

私はその理由をきいて、ますますこのサービスはうまくいかないかもしれないと感じました。

なぜなら、このサービスは「やりたいことをやっただけ」でしかなく、ここにユーザー目線や使う人たちを思いやる視点が欠落しているように感じたからです。

こういう時、あなたならどうしますか?